不動産投資の資金として利用できる、不動産投資ローン。住宅ローンと異なり一般的にはあまり馴染みがないもの。そこで、ここでは、不動産投資ローンの種類やその審査基準、さらに具体的なイメージを思い描けるよう、シミュレーションした。
不動産投資ローンとは、不動産投資を目的に賃貸マンションやテナント用賃貸ビルなどを購入する際、金融機関が有担保で融資しているローンのこと。自分の給与所得や自営所得によって返済する形である住宅ローンとは大きく異なり、借入れにはある程度まとまった自己資金が必要となる。不動産投資ローンというカテゴリーができる10年ほど前までは、事業を興す人を対象とした事業用ローンや、土地を所有する地主が土地活用でアパート・マンション経営を行うためのアパートローンが一般的だった。国のゼロ金利政策で信用拡張の時代が続き、アパートローンを仲介中古物件にも適用する流れから不動産投資ローンが生まれた。
不動産投資ローンの種類を知る
- 固定金利型ローンローンを受けた時点で、返済期間中の金利が決定されるため、将来の返済金額の予測が立ちやすい。ただ、変動金利型より金利が高い。
- 変動金利型ローン固定金利型ローンよりも金利が低い。ただ将来金利が上昇した際、利息支払額が増えるため、将来の返済金額の予測を立てにくい。
- 預金連動型ローン預金残高とローンの残高を差し引いた金額に金利が発生する。購入価格に対して、6割を超える融資には割増金利が設定される。
信用拡張が続いていた2003年ころは、都市銀行も投資用ローンを積極的に扱い、自己資金の不要なフルローンや比較的年収の低い人にも貸し出すオーバーローンまで登場した。しかし、サブプライム問題による世界的な信用収縮のなかでその流れは完全に止まり、現在では不動産投資ローンの審査はかなり厳しくなっている。年収で線を引くならば、1000万円以上が融資対象者と考えてよい。現場の銀行員によれば、銀行の信用収縮は今後2~3年間続くだろうとのこと。よって、担保評価や物件価格の7~8割程度までの融資しか期待できない状態が続くと見られる(銀行によっては半分の自己資金を求められるケースも)。
融資の可否は“不動産の収益性”
担保評価には積算法と収益還元法があり、多くの都市銀行では両方を加味して担保評価する。地方銀行等でも収益還元法を取り入れているケースもあるが、現在の厳しい金融環境では掛け目が厳しくなっている。投資される不動産の収益性をもとに融資の可否を判断する、というのがあくまで金融機関の建前だが、実際にはまだまだ借りる人の属性が重視される。
- 公務員、専門職(弁護士、医師など)
- 上場企業勤務の会社員、
- 未上場企業勤務の会社員
- 中小企業経営者
- 自営業者
の順に融資が受けやすい。
では、一般的なサラリーマンが不動産投資ローンについて思い描けるよう、具体的にシミュレーションしてみる。自己資金が1200万円あり、金融機関から2.5%程度の金利で4800万円の融資を受け、6000万円の中古物件(部屋タイプ1K×6戸)を都心に近い首都圏で購入したとする。借入期間は27年。家賃収入は年間で480万円程度が見込め、18年後には、資金収支累計が2400万円、借入金残高が2100万円で逆転することになり、貯めておいた収入をすべて返済に回せば、借入金残高がゼロとなることを意味する(右グラフ参照。資金収支曲線と借入金残高が18年後に交差)。ただし、賃料の設定率や入居率、原価償却、大規模修繕費等の変数をどう見積もるかにより、シミュレーションも変わってくる。
<クリックで拡大します>→
長期的な不動産投資が、売却しなければキャピタルゲインが得られない株式投資よりも魅力的なのは、常にキャッシュフローが得られることにある。とくに借入金完済後にはキャッシュインフローが続くことになり、投資資金として活用する他、老後資金にも有効だ。もちろん、ローンを利用した不動産投資では、空室が発生しないよう、物件の選定に一層の慎重さが求められるとともに、綿密な収支分析と資金計画が欠かせない。
今回、話を伺った専門家
- みなとアセットマネジメント株式会社
- 代表取締役 向井啓和
不動産投資物件を専門に扱う。また不動産投資に関するアドバイスも行っている。
URL/http://minato-am.com/
本記事は、株式会社ホームアドバイザーから情報を受けております。掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。



コラム銀座クラブホステスでもある個人投資家が語る“攻め”の不動産投資
プロが教える「買い得」マンション。なぜ今「不動産は買い時!」なのかを徹底分析