不動産経済研究所の調査で、2009年の首都圏マンション供給戸数は3万5,000戸程度になる見込みと発表された。バブル崩壊後の1992年以来の低水準となり、いわゆる「大量供給時代」は終わったと判断してよいだろう。さらに在庫調整によるアウトレット不動産は、09年前半にほぼ販売を終えた。購入希望者からすると、まだ価格が下がるのではないか、自分の希望する物件が手頃な価格で多数出てくるのではないか、と期待したくもなるが、今後は供給戸数が減ったことで、需要と供給のバランスが変化し、「買いたくても買えない」という事態になる可能性も十分あるのだ。
- 明治学院大学教授
- 大平 浩二氏
1951年生まれ。明治学院大学経済学部教授。経営学説専攻。著書に「住宅はこれからが買いだ」(小学館)がある。
- 「大量供給時代」は終り、今後は供給数が激増することはない。
- 今後5~10年は、団塊ジュニア世代の住宅購入と、団塊世代の住み替えが重なり住宅需要が見込まれる。
- いずれ供給不足で気に入った物件を「買いたくても買えなくなる」可能性がある。
- マンション価格はまだ下がるのでしょうか?
待てば、安くなるのではないかと思うと購入に踏み切れません。 - 「価格改定」は一時的なもの、今後価格が急激に下がることはないでしょう。
(話し手:大平浩二氏)
優良物件を中心に価格はゆるやかに上昇する
2007年以降、サブプライム問題のあおりを受けてマンションの販売不振が続いていますが、各社とも採算ラインぎりぎりに達しており、これ以上の価格見直しはできません。建設費の水準が大きく下がることは難しく、マンション価格も下がるのは期待できません。現在の在庫物件が整理されてしまえば、住宅価格の下落はストップし、今後の住宅需要の高まりを考えれば、優良物件を中心に、むしろゆるやかに上昇していくことすら予想されます。気に入った物件は早めにしっかりとチェックしましょう。
物件の高い、安いは
長期的なデータで判断すべき
「まずマンション価格を考えるとき、投資用と実需用に分けて考える必要があります」(大平氏)。実際、2002年以降に価格が高騰したのは投資用不動産であり、一方、投資マネーの動きとは直接関係のない「実需向け」の不動産は、2008年の平均価格がバブル後の底値とほぼ同じ水準。「2006年以降の平均価格は長期的に判断して決して高くない水準」(同)なのだ。また最近まで不動産市場や新聞・雑誌各紙を賑わした「価格改定」物件は一時的な現象で、今後は急激に価格が下がるということはない。価格の値下がりだけを期待するなら「待つ」より「今」が買いだろう。



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